ボンベイ猫の歴史は、1950年代後半のアメリカ・ケンタッキー州のブリーダーであるニッキー・ホーナー(Nikki Horner)氏の情熱から始まりました。彼女が目指したのは、インドに生息する獰猛で美しい黒豹(ブラックパンサー)の姿を、家庭で飼える小型の猫として再現することでした。
この壮大な計画のために交配されたのが、漆黒の毛並みを持つアメリカンショートヘアと、筋肉質で人懐っこい気質を持つセーブル(茶褐色)のバーミーズです。何世代にもわたる綿密なブリーディングを経て、1970年代に主要な血統登録団体であるCFAやTICAにおいて独立した猫種として正式公認されました。
ボンベイ猫の身体は「セミコビー」と呼ばれるタイプに分類されます。見た目以上にずっしりとした重量感があり、成猫の体重はおよそ3.0kg〜5.5kg程度に成長します。胴体は引き締まった筋肉に覆われ、胸幅が広く頑丈な骨格を誇ります。最大の特徴である被毛は極めて短く密生したシングルコートで、光を浴びると濡れたパテントレザー(エナメル革)のような眩い光沢を放ちます。