福士蒼汰の芸能界入りは、渋谷で撮影された雑誌のスナップ写真が事務所関係者の目に留まったことがきっかけでした。2011年1月にドラマ『美咲ナンバーワン!!』で俳優デビューを飾った直後、キャリアわずか数カ月という異例のスピードで挑んだのが『仮面ライダーフォーゼ』の主役オーディションです。
東映のプロデューサー陣や監督陣が明かした当時の記録によると、応募総数約3,000人という狭き門の中で、福士蒼汰の放つ圧倒的な透明感と物怖じしない度胸が審査員の目を引きました。演技経験こそ浅かったものの、台本読みや実技審査で見せた真っ直ぐな眼差しと人懐っこい笑顔が、「全校生徒と友達になる男」という如月弦太朗の破天荒なキャラクター像と完璧に合致したと評されています。
制作発表記者会見で初披露された「リーゼントに短ラン」という強烈なビジュアルは、従来のスマートな平成仮面ライダー像を覆すものでした。当時18歳だった福士蒼汰は、毎朝早くからの撮影現場で入念に髪をセットし、不慣れなアクションやアフレコに体当たりで挑みました。両腕を大きく突き出して叫ぶ「宇宙キターッ!」という名言や、フォーゼドライバーのスイッチを精密に操作するダイナミックな変身ポーズは、徹底した反復練習によって生み出された努力の結晶です。