一口に毛穴の悩みと言っても、その形状と発生要因によって施すべきベースメイクの戦略は根本から異なります。特に大人の肌を悩ませるのが「すり鉢毛穴」と「たるみ毛穴」です。
すり鉢毛穴のファンデーション選びでは、皮脂に含まれる不飽和脂肪酸が皮膚を刺激し、毛穴の出口がすり鉢状に削れてすり鉢状の影を作っている点を考慮しなければなりません。ここに油分の多いリキッドやクリームを流し込むと、皮脂オレイン酸と混ざり合って更なる角化不全を誘発し、毛穴落ちを激化させます。このタイプには、皮脂吸着能を持つ微粒子パウダーを薄く纏わせ、影を「物理的に埋める」のではなく「光の散乱」で消す処方が合致します。
一方、真皮のコラーゲンやエラスチンの変性・減少によって楕円形や涙型に伸びるたるみ毛穴のベースメイクでは、乾燥対策と重力方向への意識が欠かせません。たるみ毛穴は上から下に向かって開く性質があるため、ファンデーションを上方からそのまま滑らせると、毛穴の縁に粉が引っかかり、帯状の影を作ってしまいます。頬を指先で少し引き上げ、下から上へと微細な圧をかけて押し込むように薄膜を形成するのが、現場のプロが徹底している基本所作です。