ネット上の子育て掲示板などでは「赤ちゃんは風邪を引きやすいから、とにかく暖かくして寝かせるべき」という言説が散見されますが、これは現代の小児医学において明確に否定されている危険な誤解です。
米国小児科学会(AAP)および厚生労働省の研究班による知見では、睡眠環境における過度の温めすぎ(オーバーヒート)が、乳幼児突然死症候群予防策における重大な危険因子として警告されています。
乳児が過剰に温められると、体温調節中枢への負荷から深い昏睡状態(低覚醒状態)に陥りやすくなり、何らかの原因で呼吸障害が発生した際に自力で覚醒する反射機能が著しく低下します。これがSIDSの発症メカニズムの一つと考えられています。
命を守る安全な睡眠環境を構築するためには、以下の原則を遵守する必要があります。
- 敷布団は硬めのベビー用マットレスを使用し、柔らかい羽毛布団や重い毛布は避ける
- 睡眠時は頭部を露出させ、帽子やフード付きの寝間着は絶対に使用しない
- 寝室の温度はやや涼しく感じる程度(20℃前後)に保ち、スリーパーで微調整する
- うつぶせ寝を避け、必ず仰向け(背臥位)で寝かせる