彼女の歩みを振り返る上で欠かせないのが、少女期から駆け上がったあまりに眩しい栄光の数々です。中学時代にスカウトされて芸能界入りした彼女を一躍スターダムに押し上げたのが、1977年のカルビー「ポテトチップス」のCMでした。
「100円でカルビーポテトチップスは買えますが、カルビーポテトチップスで100円は買えません。あしからず」というフレーズを、生意気でどこか冷めた表情で言い放つ少女の姿は、若い頃の彼女の強烈なコマーシャルバリューを日本中に知らしめました。このCMの大ヒットにより、カルビーのポテトチップスは国民的スナックとしての地位を不動のものにしたと語り継がれています。
勢いそのままに、1980年からは日本テレビ系ドラマ『池中玄太80キロ』に出演。西田敏行演じる主人公・玄太の長女・絵子(えこ)役を瑞々しく演じ切り、日本中の「理想の娘」として国民的女優への階段を駆け上がりました。さらに1994年、ドラマ『そのうち結婚する君へ』の挿入歌として大内義昭とデュエットした『愛が生まれた日』は、130万枚を超えるミリオンセラーを記録。その年の『第45回NHK紅白歌合戦』初出場を果たし、日本レコード大賞優秀賞を受賞するなど、シンガーとしても頂点を極めました。
しかし、スポットライトの眩しさに比例するように、彼女の内面には深い影が差し込んでいました。自著や当時のロングインタビューで語られていたのは、自我が確立する前から大人たちの思惑に翻弄され、休む間もなくカメラの前に立ち続ける日々の過酷さでした。「自分が自分でなくなっていくような感覚」を抱えながら、彼女はギリギリの精神状態でスターの仮面を被り続けていたのです。