一般的な寿司屋で「えんがわ」を頼むと数千円のコースの一品として登場する一方、大手回転寿司チェーンでは2貫100円〜200円台という手頃な価格で提供されています。この価格差の理由は、使用している魚種と生息環境の違いにあります。
高級寿司店で扱われるのは、日本近海で獲れる「天然ヒラメ」や国内養殖のヒラメが中心です。これに対し、回転寿司で圧倒的な支持を集めるえんがわの正体は、主に冷たい北洋の深海に生息する「カラスガレイ(グリーンランドトレイ)」や「オヒョウ(ハリバット)」と呼ばれる大型のカレイ類です。
カラスガレイは水深数百メートルから千メートルを超える極寒の深海に生息するため、凍える水温から身を守るために全身に分厚い脂肪を蓄えています。体長もヒラメより一回り以上大きく、1匹から採取できるえんがわの量が格段に多いため、「圧倒的な脂のジューシーさ」と「優れたコストパフォーマンス」を両立させることができるのです。