物語の核となるのは、主人公ヴァッシュ・ザ・スタンピードとウルフウッドの関係性だ。「誰も殺さない」という不殺の誓いを貫き、理想を追い求めるヴァッシュに対し、ウルフウッドは「守るために殺す」という徹底したリアリズムで行動する。この対極にある二人の思想のぶつかり合いこそが、作品に類稀な緊張感を与えている。
時に激しく衝突しながらも、二人は互いの痛みを誰よりも理解していた。圧倒的なスピードと銃撃戦が展開されるSFガンアクションの渦中で、背中を預け合う二人の絆は、言葉以上の説得力を持って観客に迫る。ヴァッシュの綺麗事を青臭いと吐き捨てながらも、その眩しいまでの理想に救われていたのは、誰よりもウルフウッド自身だったのかもしれない。