家族として最も精神を削られる瞬間ですが、感情的な反論は事態を泥沼化させます。専門機関の相談事例から明らかになった、絶対に避けるべきNG行動を整理しました。
何よりも避けるべきは「私は盗っていません!」「さっき自分で引き出しに入れたでしょ!」と正論で論破しようとすることです。認知症の妄想を否定しない理由は、本人の主観において「盗まれた事実」は紛れもない現実だからです。記憶が抜け落ちている本人にとって、否定されることは「嘘つき扱いされた」「敵に囲まれている」という恐怖と孤立感を倍増させ、興奮状態をエスカレートさせます。
また、家族が一人で探し出して「ほら、ここにあったじゃない」と見せつける行為も逆効果です。「あなたが隠し持っていたのを、今そこに戻した」と受け取られ、疑念がさらに深まる引き金になります。物盗られ妄想の対応法の鉄則は、本人の「ない」という不安にまず共感し、「それは困りましたね。一緒に探しましょう」と味方のポジションを確保した上で、本人自身の手で発見させる演出を整えることです。