前橋市は古くから「近代詩の故郷」として知られています。その中核施設である前橋文学館の常設展示室では、日本近代詩の父と称される萩原朔太郎の代表作『月に吠える』や『青猫』の初版本、繊細な筆跡が残る直筆ノート、愛用していたマンドリンなどの貴重な遺品が体系的に展示されています。
さらに注目すべきは、朔太郎と同郷であり、日本の前衛詩・アナーキズム詩の旗手として激動の時代を駆け抜けた萩原恭次郎をはじめ、伊藤信吉や平井晩村といった前橋にゆかりの深い文学者たちの足跡です。単に資料を眺めるだけでなく、音声や映像を組み合わせた体験型シアターや立体的な空間演出が施されており、詩の言葉が持つ力とリズムを五感で体感できる構成になっています。