同店がこれほどまでに長く人々の記憶に刻まれている最大の理由は、単なる食事を超えた「圧倒的なエンターテインメント体験」にありました。アメリカ・オレゴン州ポートランド発祥のコンセプトを忠実に再現した店内には、アンティーク家具や本物のクラシック市電が据え付けられ、車内でパスタを味わえる特別なシートは誕生日や記念日の予約争奪戦が繰り広げられるほどでした。
そして何より来店客を虜にしたのが、食事を注文するとセットでついてくる熱々の自家製ソフトフランスパンと特製ガーリックバターの食べ放題です。外側はパリッと香ばしく、中は驚くほどふんわりとした温かいパンに、塩気の効いたホイップバターをたっぷりと塗って頬張るスタイルは、当時の関西の外食シーンにおいて極めて革新的でした。「メインのスパゲティが届く前にパンをおかわりしすぎて満腹になってしまう」という光景は、訪れた誰もが一度は経験した微笑ましいエピソードです。
ランチメニューにおいても、名物のミートソースやクラムチャウダー、濃厚なミゼトラチーズをふんだんに使ったスパゲティが手頃な価格で提供され、ファミリー層から学生、港町を訪れる観光客まで、あらゆる層の胃袋を掴んで離しませんでした。ネット上に残る口コミや評判を検証しても、低評価の声は極めて少なく、接客スタッフの陽気なホスピタリティや空間のワクワク感を称賛する記述が今なお大半を占めています。