家系の歴史を語る上で、創業者である吉村実氏の存在を抜きには語れない。1974年に誕生した「吉村家」が生み出した豚骨醤油ラーメンは、九州の白濁豚骨と東京のクリアな醤油スープを融合させるという、当時としては破天荒な発想から生まれた。その唯一無二の設計図は弟子たちへと受け継がれ、今や全国規模の一大カルチャーへと昇華している。
直系店舗を決定づける象徴が、大田区の老舗「酒井製麺」が手がける特注の平打ち中太麺だ。創業者の厳しい舌を満足させるために開発されたこの麺は、短めで啜りやすく、モチモチとした弾力と小麦の香りを兼ね備えている。濃厚な醤油豚骨のパンチに負けず、スープを適度に持ち上げる絶妙なテクスチャーは、半世紀に及ぶ強固な信頼関係があるからこそ実現できる味わいといえる。