「深夜残業が当たり前」「休日も障害対応で呼び出される」という過去の金融SE像は、現在の日本総研においてどこまで当てはまるのでしょうか。現役社員の取材証言や開示情報を突き合わせると、抜本的な労務改革が進んだ実態が見えてきます。
労務管理の徹底とハイブリッドワーク
三井住友グループ全体のガバナンス強化に伴い、PCのログ監視と入退館ゲートの連動によるサービス残業の完全排除が徹底されています。月間残業時間が45時間を超える場合は事前申請が必要となり、36協定の上限遵守に対する管理職の責任は極めて重くなっています。 また、週2〜3日のリモートワークを標準としたハイブリッド勤務が定着しており、自社オフィスやサテライトオフィスを柔軟に選択できる環境が整備されています。ただし、障害対応に当たるシステム基盤部門や、リリース直前のプロジェクトメンバーにおいては突発的な休日勤務や深夜対応が発生することがあり、代休の取得が義務付けられているとはいえ、体力的・精神的な負担がゼロになったわけではありません。
離職率の推移と福利厚生の手厚さ
同社の離職率は約4〜6%台で推移しており、一般的なIT業界平均(約10〜12%)と比較しても極めて低い離職率を維持しています。一度入社すれば終身雇用に近い形で定着する社員が多い最大の要因は、圧倒的な福利厚生の充実度にあります。 * 住宅支援制度:独身寮や借上社宅制度が充実しており、若手社員の生活固定費を劇的に圧縮可能。 * スマートワーク手当・カフェテリアプラン:在宅勤務に伴う環境整備手当や、年間数十万円相当のポイントが付与される自己研鑽・育児支援制度。 * 休暇制度:連続休暇(年1回・5日間の連続有給取得推奨)やスポット休暇、リフレッシュ休暇などが形骸化せず、実際の有給取得率は75%以上をマーク。 離職を選択する層の多くは「会社の労働環境が嫌で逃げ出す」のではなく、ここで培った金融IT知見を武器に、外資系コンサルティングファームやBig4、SaaS企業へ年収アップを伴うキャリアアップ転職を果たしているのが実態です。