新五千円札を実際に光にかざして傾けると、肖像の津田梅子がまるで生きているかのように立体的に向きを変える様子が確認できます。この最先端ストライプ型3Dホログラムは、紙幣への採用としては世界初となる高度な偽造防止技術です。熟練の工芸官が彫刻した原図をもとに微細な凹凸パターンを形成し、見る角度によって顔の陰影や向きが滑らかに変化します。
また、視覚障害者や高齢者、外国人でも指先の感触や視覚で即座に金種を識別できるよう、中央の算用数字「5000」が極めて大きくボールド体で印字され、券面左右には指で触れて分かる11本の深凹版印刷による斜線マークが配置されています。
そして注目すべきが、裏面に採用されたフジ(藤の花)です。藤は古くから日本人に愛され、『万葉集』にも数多く詠まれてきた優雅で力強い花木です。棚から垂れ下がる無数の紫色の花房は、女性らしいたおやかさと同時に、深く強靭に大地に根を張る生命力を象徴しています。これはまさに、男性中心の過酷な社会制度の中で決して屈することなく、後進の女性たちのために学びの場を根付かせた津田梅子の生き様と美しく共鳴しています。