彼のキャリアを振り返ると、常に既存の映画表現を打ち破る破壊的な名作が生み出されてきた。4時間を超える大作『愛のむきだし』は世界的なカルト映画として金字塔を打ち立て、実在の猟奇殺人事件をモチーフにした『冷たい熱帯魚』は人間の底なしの悪意を描き切った。さらに東日本大震災直後に制作された『ヒミズ』は、ヴェネチア国際映画祭で高く評価され、若手キャストに最優秀新人賞をもたらした。
その後も、Netflixで配信され話題を呼んだ『愛なき森で叫べ』や、ハリウッドの大物スターであるニコラス・ケイジを主演に迎えた『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』など、グローバルな舞台へ快進撃を続けていた。国境を超えた評価を獲得していた矢先の告発だったからこそ、映画界に与えた落差と落胆は計り知れないものだった。