『移民の歌』の歌詞を和訳・分析すると、全編にわたって北欧神話とヴァイキングの侵略史が織り込まれていることが明白になります。
冒頭の有名な一節「We come from the land of the ice and snow, From the midnight sun where the hot springs blow(我らは氷と雪の国からやって来た、真夜中の太陽が輝き、温泉が湧き出る地から)」は、まさにアイスランドの風土そのものです。そしてサビに登場する「The hammer of the gods(神々のハンマー)」という象徴的なフレーズは、北欧神話の雷神トールが持つ聖遺物「ミョルニル」を指しています。
さらに歌詞中には、戦死した勇者が迎えられる主神オーディンの宮殿「ヴァルハラ(Valhalla)」が登場し、「戦いを続け、平定した暁には平和と自由の地に船を寄せる」という略奪と移住の歴史が語られます。本作は現代でいう政治的・社会的な移住者を描いたものではなく、8〜11世紀にイングランドの海岸へ押し寄せたスカンディナヴィアの戦士たちを描いた、純粋な歴史叙事詩ロックなのです。