ネット上の情報で見落とされがちな最大の盲点が、ケーキの仕上げに使う「デコレーション用粉糖」の正体です。ショートケーキやガトーショコラの上に乗せる白い粉は、通常の粉砂糖ではなく泣かない粉糖(ノンウェットシュガー)と呼ばれる特殊加工品です。
通常の粉砂糖は親水性が高く、生クリームや焼き立ての生地に乗せると、素材の水分や油分を吸って数分で透明に溶けてしまいます(製菓用語で「泣く」と表現)。これに対し、泣かない粉糖は砂糖の微粒子を植物性油脂やデキストリンでコーティングし、水分を弾く撥水処理が施されています。
したがって、仕上げのトッピングにおいて「普通の砂糖をすり鉢で細かくすれば泣かない粉糖の代用になる」と考えるのは明確な誤解です。自宅でデコレーションを行う際は、食べる直前に茶こしで振りかけるか、ケーキを完全に冷ましてからトッピングする運用でカバーする必要があります。