ネット検索やSNSのタイムラインで真っ先に目を引くのが、「松倉めがね 3本5000円」というフレーズです。一般的な眼鏡量販店であれば1本で5,000円〜1万円台が相場となるなか、3本まとめてこの価格という設定には誰もが一度は疑いの目を向けます。しかし、結論から言えばこの価格設定は紛れもない事実です。
松倉めがね鳳店の基本システムは、店内の対象フレームコーナーから好きな眼鏡を3本選ぶことで、標準レンズ(単焦点・薄型非球面等)込みで3本合計5,000円(税抜/税込5,500円)という破格のパッケージになっています。さらに驚くべきは、その柔軟な利用ルールです。1人で「普段用」「PC作業用」「予備の車載用」と3本仕立てるだけでなく、家族や友人同士で来店して1人1本ずつ(合計3本)分け合っても同一価格が適用されます。このシェア可能な仕組みが、口コミを通じて関西一円に拡散した最大の要因です。
なぜこのような破壊的価格が持続できるのでしょうか。流通構造を分析すると、明確な3つのビジネス戦略が浮かび上がります。
第1に、フレームメーカーや商社の型落ち品・余剰在庫の一括現金買い付けです。ブランドネームにこだわらない実用フレームをコンテナ単位で大量仕入れすることで、仕入れ原価を極限まで圧縮しています。第2に、店舗オペレーションの徹底的な合理化です。ブランド店のような手取り足取りの接客は行わず、フレーム選びは基本的に利用者が棚から自由に選ぶセルフスタイルを採用しています。第3に、広告宣伝費のゼロ化と薄利多売の徹底です。派手なテレビCMやWEB広告を打たず、来店客の口コミとリピート需要だけで回転率を高めるモデルを確立しています。