冬用タイヤに関して最も危険な誤解が、「自分は新品の高性能スタッドレスタイヤを履いているから、どんな規制が出てもそのまま走れる」という思い込みです。
日本の高速道路における冬期の通行規制には、実は2つの異なるレベルが存在します。
- 冬用タイヤ規制(滑り止め装置装着規制):一般的な降雪時に発令。スタッドレスタイヤ(またはオールシーズンタイヤのSNOWマーク付き)、あるいはチェーン装着車であれば通行可能。
- チェーン規制(大雪特別警報等に伴う緊急規制):過去に立ち往生が多発した全国13箇所の特定区間(中央道、上信越道、米子道など)を中心に、異例の集中豪雪時に発令。いかなるスタッドレスタイヤ装着車であっても、4WDであっても、物理的なチェーン(布製を含む)を装着していなければ1台たりとも通行不可。
この第2段階であるチェーン規制が発動された場合、スタッドレスタイヤを履いていてもチェーンを携行していなければ、IC手前で強制的に一般道へ流出させられるか、待避所で規制解除まで何時間も足止めされる事態に陥ります。
そこで現代のスマートな選択肢となるのが、スタッドレスタイヤとチェーン規制対策用スノーソックスの併用です。普段の雪道走行はスタッドレスの優れた走破性と安全性に委ねつつ、万が一の緊急チェーン規制発令時に備えて、トランクの隅に軽量・薄型なスノーソックス(約1kg)を1セット常備しておく運用です。重く冷たい金属チェーンをトランクに積みっぱなしにする労力を完全に排除できるため、豪雪地帯へ向かうスキーヤーや長距離ドライバーの間で標準的な防衛装備として定着しています。