小泉内閣が掲げた「聖域なき構造改革」は、単なる経済政策の枠組みを超えた政治体制の地殻変動であった。従来の派閥順送り人事や事前審査制による族議員主導の意思決定を次々と打破。官邸主導のトップダウン型政治を確立し、行政機構の主導権を握った。
不良債権処理の断行や道路公団の民営化など、既得権益の痛みを伴う改革を恐れなかった姿勢は、政治の停滞感に失望していた国民の心を捉えた。痛みを訴えつつも未来のビジョンを提示する独特のリアリズム。摩擦を恐れずに突き進む姿勢こそが、平成政治史における歴史的転換点となったのである。