イオングループの礎を築いたのは、実父である岡田卓也氏だ。三重県四日市市の老舗洋品店「岡田屋」から出発し、大木幹男氏や井内太州氏らとの提携を経て「ジャスコ」を設立。全国規模のスーパーマーケットチェーンへと育て上げた中興の祖である。岡田克也氏はこの巨大な小売業帝国の御曹司として生を受けた。
しかし、克也氏が選んだのは家業の継承ではなく、官僚から政治家への道だった。幼少期から父・卓也氏の「商売人は顧客に嘘をついてはならない」という徹底した誠実主義を目の当たりにして育った経験が、後の「原理原則主義」と呼ばれた政治姿勢の骨格を作り上げたという。父の背中を見つめつつも、経済の現場から国家の舵取りへと視線を広げた決断が、すべての始まりだった。