世間の関心がデビュー組や独立組の動向に集まる陰で、最も抜本的な地殻変動に晒されているのがジュニア(旧ジャニーズJr.)の現在です。ネット上では「性加害問題以降、ジュニアのなり手がいなくなり崩壊寸前なのではないか」「デビュー制度そのものが凍結されているのではないか」といった極端な言説が散見されますが、これは現場の実態と大きくかけ離れています。
実際のところ、STARTO ENTERTAINMENTと育成を担う関連組織では、ジュニアの労働環境および人権方針に関する国際基準のデューデリジェンスが導入され、従来のような「創業者の一声で合宿所へ招集され、私生活まで握られる」というブラックボックス的育成システムは完全に解体されました。現在はダンス、ボイストレーニング、語学レッスンなどのスタジオがオープンに運営され、学業との両立を定めたガイドラインが策定されています。
しかし、クリーン化されたがゆえの「新たなシビアさ」も生じています。これまでは創業者の主観的な直感による「サプライズデビュー」が数多く存在しましたが、現在はコンプライアンス審査、ファンコミュニティの市場性、ストリーミング市場での採算性などを客観的に評価した上でデビューが判定されます。そのため、東西合わせて数百人規模でひしめくジュニアの中から正式デビューを掴み取るハードルは、かつて以上に高水準化しています。外部のグローバルオーディション番組(サバイバル番組)への人材流出も日常化しており、ジュニア世代のキャリア形成は「選抜を待つ」受動的なものから、「自らの意思で進退を決断する」能動的なものへと変化しています。