この事件が放つ背徳の香りと悲劇性は、後世の表現者たちを魅了し続けてやまない。美貌の歌舞伎役者と大奥最高権力者の禁断の恋という構図は、映画『大奥』をはじめとする映像作品の定番モチーフとなり、仲間由紀恵や西島秀俊らが演じたドラマティックな情愛は多くの観客の涙を誘った。
NHK大河ドラマでも、江戸中期の政変を描くハイライトとして幾度となく再現されている。きらびやかな打掛の裏に渦巻く嫉妬と謀略、そして運命に翻弄される男女の切なさは、古典的な時代劇の枠組みを飛び越え、現代のエンターテインメント空間においても圧倒的な求心力を保ち続けている。