更級日記「源氏の五十余巻」の意味とは?なぜ54帖と呼ばないのか徹底解説

更級日記「源氏の五十余巻」の意味とは?なぜ54帖と呼ばないのか徹底解説

更級日記「源氏の五十余巻」の意味とは?なぜ54帖と呼ばないのか徹底解説についての疑問解決ガイドをお届けします。

『更級日記』の作者である菅原孝標女は、平安時代の高名な学者・菅原道真の末裔にあたる貴族の娘です。彼女は10代前半の多感な時期を、父・菅原孝標の任地であった上総国(現在の千葉県中央部)で過ごしました。当時の東国は都から遠く離れた田舎であり、彼女が夢中になっていた『源氏物語』などの王朝文学の写本は、断片的な抜き書きしか手に入らない環境でした。

作者は「早く都へ帰って、物語のすべてを最初から最後まで読みたい」と薬師仏に祈り続ける日々を送ります。やがて寛仁4年(1020年)、13歳のときに父の任期満了に伴い一家で帰京。京都の屋敷に落ち着いた後、彼女の熱烈な文学愛を知った叔母から贈られたのが、待ち望んでいた『源氏物語』のまとまった巻々でした。

紫式部が著した壮大な長編に没頭するあまり、現実の生活や信仰、将来の身の振り方を顧みなくなるほどの熱狂ぶりは、平安貴族の日常と少女の内面を鮮やかに浮き彫りにしています。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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