昭和の裏面史に刻まれた暴風のような軌跡は、のちに日本映画産業へも計り知れない影響を与えた。東映が切り拓いた実録路線の潮流を受け継ぎ、数々の実録ヤクザ映画やオリジナルビデオ作品が生み出される中で、ひときわ異彩を放ったのが映画『実録 柳川組 殺しの柳川』である。
90年代から2000年代にかけて隆盛を極めたVシネマの文脈においても、彼らの抗争史は屈指の人気題材であり続けた。劇中で描かれる剥き出しの暴力と男たちの葛藤は、単なるフィクションの枠を超えた迫力を放つ。徹底した取材に基づくノンフィクションのリアリズムと娯楽映画のダイナミズムが融合したこれらの作品群は、戦後裏社会の暗闘を語り継ぐ文化的なアーカイブとしても機能している。