笹川一族の真の恐ろしさは、父・良一の強烈なカリスマが一代で潰えることなく、極めて緻密に分業・継承された点にある。家系図を俯瞰すると、長男・勝成、次男・堯、三男・陽平という3人の息子たちが、それぞれ競艇利権、中央政界、国際慈善事業という巨大な柱を分担して掌握してきた構図が浮かび上がる。
長男の勝成氏は日本モーターボート競走会の要職を務め、競技界の基盤を守った。次男の堯氏は政界へ打って出て閣僚ポストを歴任、自由民主党の有力政治家として権力中枢に食い込んだ。そして三男の陽平氏は、アジア最大の民間財団である日本財団の会長として君臨。さらにB&G財団などを通じた全国規模の海洋・青少年支援インフラを統括し、一族の社会的名声を国際レベルにまで引き上げた。この三位一体の血縁ネットワークこそが、戦後日本を裏から支えてきた笹川帝国の心臓部である。