かつてのアクション映画において、身長や体格の差はそのまま強さの説得力に直結していた。大柄なヒーローが敵をなぎ倒す構図が長らく王道とされてきた理由もそこにある。しかし、ジークンドーやカリ、シラットといった実戦武術を極めた彼は、その固定観念を完全に打ち砕いた。
体格差を物理法則とテコの原理で無効化する動き。大きい相手の懐に入り込み、最短距離で急所を制する合理的な体の使い方。これらをスクリーン上でリアルに表現できるからこそ、どんなに大柄な相手役と対峙しても、彼が負けるイメージを観客に抱かせない。圧倒的な説得力の前では、身長の数センチの差など何の意味も成さないのだ。