騒動の渦中で最も注目された法的・倫理的課題が、ファンキー加藤さんの子供の認知問題でした。2016年6月中旬、柴田さんの元妻A子さんは無事に女児を出産しました。加藤さんは事前に公言していた通り、速やかに女児を法的に認知し、養育費の支払いを取り決めました。これにより、元妻A子さんは柴田さんとの間にもうけた2人の実子に加え、加藤さんとの間に生まれた女児の計3人を育てる母親となりました。
ここで多くの人が疑問を抱いたのが、「ファンキー加藤さんの本妻は、なぜ離婚しなかったのか」という点です。第1子を出産してわずか数ヶ月というもっとも繊細な時期に、夫の不倫と婚外子の存在を知らされた妻の精神的苦痛は想像を絶するものがありました。
加藤さんが後年のロングインタビューや特番で明かしたところによると、事実を告白した際、家庭内は言葉通り「地獄のような修羅場」と化したといいます。しかし、加藤さんの妻が最終的に下した決断は「離婚」ではなく「夫婦関係の継続」でした。その背景には、極めて現実的かつ情愛に根ざした三つの要因が作用していました。
第一に、加藤さん本人が一切の言い訳を排し、土下座をして妻の前で罪を認めたことです。自身の非を全面的に認め、どんな処罰も受け入れるという姿勢を崩さなかったことが、妻の感情の氷解に向けた第一歩となりました。
第二に、生まれたばかりの長男の存在です。「父親の過ちによって幼い息子の育つ環境を直ちに破壊してよいのか」という母親としての葛藤がありました。加藤さんの妻は、夫が生涯をかけて家族と婚外子双方に向き合い、責任を果たし続ける姿勢を監視し、見届ける道を選んだのです。
第三に、加藤さんの妻自身の強靭な覚悟です。妻は加藤さんに対し「一生かけて私と子供に償っていきなさい」と言い渡し、夫の活動を再び支える決意を固めました。実際、加藤家にはその後、2017年2月に第2子、2020年にも子供が誕生しており、夫婦関係の再構築が単なるポーズではなく実質的な再生であったことを裏付けています。