世界中のストリートビューを探索するユーザーの間で、定期的に爆発的な拡散を見せるのが「凶悪事件の現場」や「異様な人影」を捉えたとされる画像です。しかし、その背景を綿密に追跡すると、ネットの憶測とは異なる実態が浮かび上がってきます。
代表的な事例が、オランダ・アルメレの公園(座標:52.3813, 5.1983)にある桟橋の衛星写真です。桟橋の上に赤黒い筋が長く伸び、その先にある物体を囲む人影が「遺体を引きずって湖に捨てようとしている殺人現場ではないか」と世界中で騒動になりました。しかし、現地メディアと警察の調査で判明した真相は極めて無害なものでした。水遊びが大好きなゴールデンレトリバーが湖から上がった後、濡れた体で木製の桟橋を全力疾走したため、板が水分を吸って濃い色に変色しただけの跡だったのです。
また、日本国内で話題となった東京都武蔵野市のJR三鷹駅跨線橋付近のストリートビューでは、頭部にリアルなハトのマスクを装着した集団が一斉にカメラを凝視する光景が記録され、不気味なカルト集団の儀式ではないかと話題を呼びました。これも実際には、Webメディア「デイリーポータルZ」のライター陣がGoogleの撮影車が通過するタイミングを予測して仕掛けたパフォーマンスアートでした。このように、閲覧者に強いインパクトを与える「不気味な人影」の多くは、演出された悪戯や偶然の産物であることがほとんどです。