短時間かつ低価格を掲げるサロンに対して、利用者が最も抱く疑問は技術力への不信感だろう。結論から言えば、仕上がりのクオリティは「担当者の経歴」と「注文の明確さ」に大きく依存している。一般的なヘアサロンのような丁寧なカウンセリングや世間話の時間は削ぎ落とされており、施術席についた瞬間からカウントダウンが始まる。
男性客をターゲットに効率化を極めたQBハウスのような駅ナカ特化型と異なり、同店はファミリー層や女性客の利用率が際立って高い。そのため、担当する美容師には多様なレングスやスタイルのカットに対応する柔軟性が求められる。在籍スタッフの大半は、従来型のサロンで指名争いや長時間労働を経験してきた中堅・ベテラン層だ。技術のベース自体は決して低くない。だが、10分強という極限の制限時間のなかで、ミリ単位のニュアンスまで汲み取るのは物理的に困難が伴う。
「毛先を揃える」「重さを取って軽くする」「伸びた分だけ切る」といった明確なメンテナンス目的であれば、破格の満足度を得られる。一方で、トレンド感のある複雑なレイヤーカットや大胆なイメージチェンジを求める場合、時間制約が仇となって「思い通りにならなかった」というズレが生じやすいのが実情だ。