厚生労働省が策定する社会保障制度には、会社員や公務員を守る強力なセーフティネットが存在する。その代表格が傷病手当金だ。病気やケガで休職した場合、最長1年6か月にわたり給与の約3分の2が支給されるため、即座に生活が困窮することはない。
しかし、この制度には明確な死角がある。自営業やフリーランスが加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金が存在しない。さらに会社員であっても、給与の3割減が長期化すれば住宅ローンや教育費の支払いに不都合が生じる。公的制度がカバーするのはあくまで「最低限の生活維持」であり、罹患前の生活水準を完全に担保してくれるわけではない。