流体を使った無限循環の試みは、ネット動画が生まれるはるか昔から連綿と続いてきた。古代ギリシャの数学者アレクサンドリアのヘロンが考案した「ヘロンの噴水」は、空気圧と水圧の巧みな配置によって外部動力なしに噴水を吹き上げさせ、当時の人々を驚嘆させた。だが、これも位置エネルギーを消費し尽くせば完全に停止する有限の装置に過ぎない。
さらに17世紀、近代化学の父と呼ばれるロバート・ボイルが考案したとされる「ボイルの自吸式フラスコ実験」は、今なお語り継がれる代表例だ。太いフラスコの底から伸びた細い管が上部へ回り込み、再びフラスコ内へと注ぎ込む形状をしている。「細い管内の水は毛細管力と大気圧で押し上げられ、太いフラスコ内の水より軽いため、管口から落ちて循環し続ける」という仮説だった。だが、実際に作られたフラスコの中で水が自ら注ぎ口を越えて落下することは決してなかった。液面の高さが一致した瞬間、水流はピタリと止まる。