王道のカルボナーラにも鮮やかな地殻変動が起きている。生クリームを使わず、グアンチャーレの脂の旨味とペコリーノ・ロマーノ、新鮮な卵黄のみで勝負する本国ローマのクラシックスタイルがランチでも主流となった。仕上げに振りかける黒胡椒のロースト加減ひとつにまで哲学を注ぎ込む店が増え、日常のランチが一気にファインダイニングの緊張感を帯びる。
ミシュランガイドに掲載される名店がビブグルマンとして手頃なパスタランチを展開する例も増えた。Netflixの世界的ドキュメンタリー『シェフのテーブル』で描かれるような料理人の情熱とクラフトマンシップが、日本のランチタイムという短い時間枠のなかで鮮烈に体験できるのだ。