本堂や滝ばかりに目を奪われがちだが、境内の裏手に佇む三重塔や愛染堂など、境内には見落とされがちな「隠れた見どころ」が点在している。特に江戸時代末期に起工されながらも未完成のまま残された三重塔は、建築の構造美や当時の大工たちの息遣いを間近で観察できる珍しい遺構だ。複雑に組み上げられた木組みの美しさは、完成された建造物とはまた異なる独特の哀愁を漂わせている。
さらに、アニメーション映画監督の細田守氏が手掛けた名作映画『おおかみこどもの雨と雪』の舞台モデルとしても、この地域は脚光を浴びた。映画の中に登場する神秘的な森や古い民家の空気感は、ここ富山県中新川郡上市町の大自然がモチーフとなっている。ファンにとっては映画の世界観をそのまま体感できる特別な聖地であり、アニメ表現のルーツを探る旅としても深い味わいがある。