本来の調合レシピであった「砂糖」「スパイス」「とびっきり素敵なもの」だけでは、超人的な飛行能力やレーザービームを放つスーパーヒロインは生まれませんでした。そこに決定的な変異をもたらしたのが、謎の劇薬ケミカルXです。
長年、ネット上では「博士がうっかり手元を滑らせて薬品をこぼした」と記憶されがちですが、公式のケミカルX混入経緯はまったく異なります。真の引き金を引いたのは、他ならぬ最凶のヴィラン、モジョ・ジョジョでした。
当時、研究所には博士がペット兼実験助手として飼っていた1匹の普通のチンパンジー「ジョジョ」が暮らしていました。破壊的で落ち着きのないジョジョは、博士が細心の注意を払って大釜をかき混ぜていたまさにその瞬間、博士の背後から激しく体当たりを敢行。腕を突き飛ばされた博士の反動によって、棚にあったフラスコが弾き飛ばされ、正体不明の危険物質ケミカルXが釜の中へと注ぎ込まれてしまったのです。
直後に起きた大爆発によって、ブロッサム、バブルス、バターカップの三姉妹が誕生しました。しかし同時に、この爆発の強烈なエネルギーを至近距離で浴びた助手のジョジョにも異変が起きます。頭蓋骨を突き破るほどに脳が巨大化し、皮膚は緑色に変色。人間を遥かに凌駕する知能を獲得したジョジョは、自分の存在を忘れガールズの誕生に狂喜乱舞する博士の姿を目の当たりにします。
「自分は博士の唯一の相棒だったはずなのに、後から現れた少女たちに愛情をすべて奪われた」。この強烈な嫉妬と疎外感が、彼を悪の天才科学者モジョ・ジョジョへと変貌させました。つまりガールズとモジョは、同じ実験現場から生み出された「光と影の兄妹」とも呼ぶべき裏設定の関係性にあったわけです。