日本の映像文化を牽引してきた東映をはじめとする大手映画会社も、伝統的な時代劇のフォーマットを刷新する取り組みを加速させている。これまでの殺陣や合戦を中心としたアクション主体の構成から、人物の内面や歴史のIF(もしも)に切り込む人間ドラマへの転換だ。
歴史研究の現場でも近年、万福丸の生存説や替え玉説に関する文献の再検証が行われている。東映の最新映像企画では、そうした歴史の隙間に存在する可能性を巧みに織り交ぜ、万福丸が実は密かに生き延びていた場合の別ルートの人生を描くSF・歴史スリラー的なアプローチも検討されているという。時代劇は今、単なるノスタルジーではなく、現代的な問題意識を映し出す壮大なエンターテインメントへと深化を遂げている。