愛猫が息苦しそうにしているのを発見したとき、飼い主の良かれと思った行動が容態を一気に悪化させることがあります。猫の呼吸が荒い時の応急処置において最も重要なのは、「治療しようとしないこと」そして「刺激をゼロにすること」です。
やってはいけない致命的なNG行動として、まず「無理に抱きしめて撫でる」「体を温めたり冷やしたりする」「スポイトで水を飲ませようとする」が挙げられます。呼吸困難に陥っている猫にとって、拘束される恐怖や誤嚥のリスクは直接的な心不全の引き金になります。
正しい現場対応のステップは以下の4点に尽きます。
【1. 室内の環境を急速に整える】
室温をエアコンで21〜23度前後の涼しい環境に設定し、窓を少し開けて換気を行い、空気のよどみを排除します。
【2. 動物病院へ事前連絡を入れる】
搬送前に必ず受け入れ先の動物病院へ電話をかけます。「猫の年齢」「呼吸数(1分間に約何回か)」「開口呼吸の有無」「舌の色」を簡潔に伝え、酸素室(ICUケージ)の準備を依頼してください。到着と同時に高濃度酸素吸入を開始できるかどうかが生死を分けます。
【3. キャリーバッグへの誘導】
無理に捕まえようとせず、バスタオルで優しくふんわりと包み込むようにしてキャリーケースに入れます。上部が大きく開くタイプのキャリーを使うと、猫に負荷をかけずに収容できます。
【4. 振動と音を抑えて搬送する】
車で移動する際は、急ブレーキや急発進を避け、車内を涼しく保ちます。キャリーの上に薄い布をかけて視界を遮り、外の光や騒音によるパニックを防ぐことが大切です。