発端は2013年5月、情報サイトのインタビュー記事でした。当時、グルメレビューサイト「食べログ」に投稿された「注文していない水に800円を取られた」という低評価レビューに対し、川越シェフが持論を展開したことが引き金となりました。
取材の中で川越シェフは、「当たり前です。いい水を出しているのだから」「高級店に行ったことがない人が年収300万円〜400万円の感覚で文句を言っている」といった趣旨の表現を用いました。このコメントがネットニュースに転載されるや否や、「庶民を見下している」「客を差別するのか」と猛烈な批判を浴びることになります。
のちに川越シェフ本人が語ったところによると、発言の真意は「当店は水道水ではなく、厳選したミネラルウォーター(アクア・ミネラーレ)を仕入れて提供するリストランテである」という説明と、料理だけでなく空間やサービス全体を含めて評価してほしいという訴えでした。しかし、言葉選びの過激さとネットメディアによるセンセーショナルな切り取りが重なり、世間には「傲慢なシェフ」という強烈なネガティブイメージだけが定着してしまったのです。