ヘ音記号をゼロから完全にマスターする上で、絶対にやってはいけない禁忌があります。それはネット上で安易に拡散されている「ト音記号の楽譜より2音(線ひとつ分)ズラして読む」という裏ワザです。確かに紙の上でゆっくりパズルを解く分には成立しますが、実際の演奏中に「ト音記号ならシだから、2つ下げてソ…」などと考えていては音楽が崩壊します。
現在、欧米の音楽メソッドや日本の先進的なピアノ指導現場で主流となっているのが「ランドマーク法(基準点記憶法)」です。五線譜のすべての音を丸暗記しようとするのではなく、視覚的に目立つ絶対的な拠点をまず2つだけ身体に叩き込みます。
覚えるべき基準点は以下の2つだけです。
- 第2間の「ド」:下から2番目の広いスペースにある丸は無条件で「低いド」。
- 第4線の「ファ」:ヘ音記号のチョボ(点々)が挟んでいる線に乗った丸は無条件で「ファ」。
この2つの絶対的な目印が頭に入れば、あとは「その1つ上か下か」を見るだけで、ドレミファソラシドの全容が自動的に立ち上がります。
さらに、線の上にある音符(五線串刺し音)と、線の間にある音符(挟まれた音)をグループ分けして語呂合わせで覚える手法も絶大な効果を発揮します。線の音(下から第1線〜第5線)は「ソ・シ・レ・ファ・ラ」(阻止、レファラ!)、間の音(下から第1間〜第4間)は「ラ・ド・ミ・ソ」(ラド味噌!)といった古典的ながら強力なフレーズを用いることで、記号としての音符が文字ではなく直感的なイメージとして脳に定着します。