戦国三英傑を並べたとき、体格のコントラストは常にドラマを生み出してきた。筆頭である織田信長は、残された具足や宣教師ルイス・フロイスの記録などから、当時としては抜きんでた長身(約166〜170cm)だったとされる。威圧的な長身痩躯のカリスマ、それが信長だった。
一方の徳川家康はどうか。久能山東照宮に遺された甲冑などから、156〜159cm程度と推測されている。当時の平均に近く、晩年は太り肉の頑健な体型だったことが知られている。
この二人と比べたとき、150cm前半の豊臣秀吉は確かに一番背が低い。信長の隣に立てば、頭一つ分以上の差があったことになる。しかし、この身長差こそが秀吉の生存戦略を研ぎ澄ませた。フィジカルの威圧感に頼れない分、彼は圧倒的な愛嬌、細やかな気配り、そして金銀を惜しみなく配る人心掌握術で他者を圧倒していったのだ。