矢野妃菜喜をめぐる言説の中には、事実と異なるいくつかの誤解や盲点が存在します。ここでその代表的なトピックを整理・是正しておきます。
1つ目の誤解は、「声優としての成功はアイドル的人気のおかげである」という見方です。前述の通り、彼女はエビ中を離脱後、約5年間にわたり劇団ハーベストでストレートプレイ(会話劇)の研鑽を積んでいます。声優オーディションを勝ち抜いたのは容姿や過去のネームバリューではなく、舞台で培われた確かな滑舌、発声法、そして台本読解力があったからに他なりません。
2つ目の誤解は、「ソロアーティスト活動は単なるキャラクタービジネスの延長」という認識です。彼女のソロ楽曲群を手掛けるクリエイター陣はロック、エレクトロ、シティポップなど多岐にわたり、彼女自身も楽曲のコンセプト決めや歌詞の解釈に深く関わっています。デビュー曲「ホオズキ」から一貫して、アニメ作品の枠組みを越えた一人の表現者としての自立が明確に志向されています。