万が一、記入中に候補者の氏名を書き間違えたり、誤って別の候補者の名前を書き始めたりした際、自己判断で二重線や取り消し線を引いて余白に書き直す行為には大きなリスクが伴います。
自治体の選挙管理委員会が示す指針によると、二重線を引いて訂正された用紙であっても、最終的にどの候補者に投票しようとしたのかが明確であれば、有効票として判定されるケースはあります。しかし、開票現場の疑問票有効無効判断の現場では、訂正の意図が曖昧な場合や、塗りつぶしが激しく「いたずら書き」と受け取られかねない場合、公職選挙法第68条第1項第5号が規定する「候補者の氏名のほか、他事を記載したもの(他事記載)」に抵触し、選挙無効票基準によって弾かれてしまう可能性が極めて高くなります。
もし投票用紙書き間違えたら、記載台の横にいる投票所の係員や投票管理者に「書き損じたので交換してください」と申し出るのが最も安全な対処法です。公職選挙法実施令に基づき、汚損または書き損じた投票用紙は、その場で返還することを条件に新しい投票用紙を無料で再交付してもらえます。恥ずかしがる必要は全くなく、現場の立会人も日常的な手続きとして速やかに交換対応を行います。
なお、書き間違えたからといって、用紙をポケットに入れて持ち帰ろうとする行為は絶対に避けなければなりません。投票用紙は厳格に枚数管理されており、投票用紙持ち帰り罰則として、公職選挙法第237条(投票箱等を開く罪・投票偽造等の罪)や刑法上の窃盗罪等に問われる可能性があり、2年以下の禁錮または30万円以下の罰金といった厳しい刑事罰の対象となります。