まず大前提として押さえておきたいのは、カピバラとヌートリアはどちらもげっ歯目(齧歯目)に属するほ乳類だという点だ。地球上には約2,000種以上のげっ歯類が存在するが、その中でも大型種として知られるのがこの2種である。ただし、分類上はここで共通点が尽きる。
カピバラ(Hydrochoerus hydrochaeris)はカピバラ科カピバラ属に属し、現存するげっ歯類の中で世界最大の種として知られる。名前の由来はパラグアイなどで話されるグアラニー語の「細い草を食べるもの」あるいは「草原の主」を意味する言葉とされ、スッキリ(Webメディア)などの動物解説記事でも広く紹介されている。原産地は南米大陸のほぼ全域——ベネズエラ、ブラジル、アルゼンチン北部などに自然分布し、川・湖・湿地帯を生活圏とする半水生動物だ。
一方、ヌートリア(Myocastor coypus)はヌートリア科ヌートリア属に分類され、こちらも原産地は南米南部(アルゼンチン、チリ、ウルグアイなど)。19〜20世紀にかけて毛皮目的で世界中に持ち込まれ、その後野生化した。日本には第二次世界大戦中に軍用毛皮獣として移入されたのが始まりで、戦後に管理が放棄されたことで各地に野生定着した経緯がある。この「人間の都合で連れてこられ、捨てられた」という歴史が、現在の外来種問題の根本にある。