「地方国立大学の中でも学費や生活費が安く抑えられるのではないか」という経済的な期待に対しても、客観的な事実に基づいた検証が必要です。まず公的な支援網である琉球大学の学費免除制度について見ると、文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」に連動した授業料減免・給付型奨学金に加え、大学独自の授業料全額・半額免除、徴収猶予・分納制度が整備されています。
さらに沖縄の地域特性として、一般財団法人や県内企業、地元自治体が設けている独自の奨学金制度が他県に比べて充実しており、困窮世帯や意欲ある学生に対するセーフティネットの網の目は強固に張り巡らされています。条件を満たせば、学費負担を実質ゼロに抑えながら学位を取得することも十分に可能です。
しかしながら、学費以外の生活コストに関しては見過ごせない盲点が存在します。
沖縄県内の民間アパートの家賃相場は、西原町や中城村の大学周辺であれば1K〜1DKで月額3万5,000円〜4万5,000円前後と本土の大都市圏に比べれば安価です。しかし、前述の通り原付や軽自動車を所有・維持するための費用(ガソリン代、保険代、車検代)が必須となるほか、物価高騰の影響による離島輸送コストの上乗せ、さらには夏季の長期にわたるエアコン連続稼働に伴う電気代の跳ね上がりなど、本土の地方都市以上に固定費がかさむケースが珍しくありません。
「授業料が免除になっても、移動手段の維持費と高騰する光熱費で仕送りやバイト代が圧迫される」という現役生の嘆きは、進学マネープランを立てる上で決して無視できない決定的な現実です。