医療現場のリアルな声はどうでしょうか。現場を取材すると、医師や薬剤師の間でも「薬効群による明確な使い分け」が常識となっていることが浮き彫りになります。
都内の大学病院に勤務する循環器内科専門医は、取材に対して次のように本音を語っています。
「高血圧の降圧薬やコレステロールを下げるスタチン製剤などは、私自身も家族も迷わずジェネリックを選びます。臨床での降圧効果や安全性に有意な差は全く感じられません。しかし、不整脈のコントロールで使うジゴキシンや、心臓手術後のワルファリンに関しては、先発品で安定している患者をあえてジェネリックに切り替えることはしません。わずかな吸収速度のズレでINR(血液の固まりにくさの指標)が変動し、血栓形成や出血のリスクを冒すメリットがないからです」
一方、調剤薬局の現場に立つ保険薬剤師は、患者側の心理とネットの反応についてこう指摘します。
「Yahoo!知恵袋やSNSで『ジェネリックに変えたら頭痛がした、めまいがした』という投稿をよく見かけます。確かに添加物の影響がゼロとは言えませんが、多くの場合、『安い薬に変えたから体に合わないのではないか』という心理的不安が症状を引き起こすノセボ効果が関係しています。また、単に基礎疾患の自然な経過や季節変動による体調悪化を、切り替えた薬のせいに結びつけてしまう認知のバイアスも見受けられます」
ネット上の口コミでは、極端な失敗談や不満の声ほど増幅されて拡散される傾向があります。科学的な因果関係が立証された重篤な副作用と、心理的ストレスや体質的不適合による軽微な違和感が混同されたまま「危険性の実態」として流通している点には、十分な注意が必要です。