「獅子奮迅」の正しい読み方は「ししふんじん」です。まずは漢字の構成からその意味を細かく分解してみましょう。「獅子(しし)」はライオン(百獣の王)を指し、「奮(ふん)」は気力を奮い起こすこと、あるいは勢いよく羽や体を振るうことを意味します。そして「迅(じん)」は極めて素早い、激しいという意味を持ちます。すなわち、「百獣の王であるライオンが猛烈な勢いで奮い立ち、荒れ狂うかのようにすさまじい勢いで突き進むさま」を表す言葉です。
この四字熟語の起源は、古代インドから伝来した仏教の経典に遡ります。『大智度論(だいちどろん)』や『法華経(ほけきょう)』には、「獅子奮迅三昧(ししふんじんざんまい)」という仏の瞑想境地が記されています。仏が一切の迷いや雑念、悪魔の誘惑を完全に打ち破り、自由自在に神通力を発揮して人々を救済する姿を、恐れを知らないライオンの跳躍や猛威に例えた表現です。
仏典におけるこの表現は、ただ無闇に暴れている状態を指すのではありません。内なる潜在能力を完全に解放し、一点の迷いもなく目標に向かって全力を注ぎ込む「極限の集中と突破力」こそが、獅子奮迅という言葉の根底にある本質的なニュアンスです。
なお、グローバルなビジネスシーンで同様の勢いを伝えたい場合の英語表現としては、直訳的な「like a raging lion(荒れ狂うライオンのように)」のほか、文脈に応じて「with tremendous vigor(すさまじい気迫で)」「fighting fiercely(猛烈に奮闘して)」「making furious efforts(猛烈な努力を重ねて)」といったフレーズが適切に機能します。