かつて圧倒的なスケールメリットで全国を席巻したヤマダホールディングスは、創業者である山田昇氏が敷いた「安売り日本一」のロードマップから、大胆な舵切りを完了させつつある。同社が推し進めるのは、家電を起点とした住宅、家具、リフォームの統合モデルだ。家電単体での価格競争から脱却し、住空間全体をパッケージとして提案することで、客単価と利益率を構造的に引き上げる狙いが見て取れる。
これに対し、西日本を地盤に強固な顧客網を持つエディオンは、地域密着型のアフターサービスと高密度なドミナント展開で対抗する。EV(電気自動車)関連設備や太陽光発電といったエネルギーソリューションを店頭で体感させ、単なる物販店から「生活インフラの相談窓口」への脱皮を図っている。
両者の戦略に共通するのは、もはや家電の箱を右から左へ動かすだけのビジネスモデルが限界を迎えているという強烈な危機感だ。