食卓を華やかに演出するなら、従来の「巻く」スタイルから脱却したいちじく生ハムカルパッチョ仕立てが近年のトレンドです。大皿にいちじくを薄くスライスして花弁のように敷き詰め、その隙間に生ハムを立体的にドレープを作りながら配置します。野生種のセルバチコ(ルッコラ)を散らし、上質なトスカーナ産エキストラバージンオリーブオイルを回しかければ、まるで高級レストランの前菜のような陰影が生まれます。
ここに合わせるお酒として、いちじく生ハムと白ワインのペアリングは外せません。赤ワインを選びがちですが、重いタンニン(渋み)はいちじくの繊細な風味を塗りつぶしてしまう恐れがあります。ソムリエが推奨する2026年現在のベストマリアージュは以下の3系統です。
1つ目は、イタリア・ヴェネト州の辛口「ソアーヴェ・クラシコ」。硬質なミネラル感と白桃を思わせるニュアンスが、生ハムの塩気を流しつついちじくの甘みを凛と引き立てます。2つ目は、果皮由来の適度なフェノール分を持つ「オレンジワイン」。複雑な渋みと紅茶のようなアロマが、いちじくの皮の渋みと生ハムの熟成アミノ酸に完璧に同調します。そして3つ目は、シャンパーニュ製法で作られる「フランチャコルタ」。きめ細やかな泡が脂分をリセットし、一口ごとに新鮮な感動を口内に蘇らせてくれます。