技術的な不合理性が叫ばれているにもかかわらず、SNSや知恵袋などのコミュニティでは「どうしてもアプリを全部消してしまう」という声が後を絶ちません。ユーザーがどのような動機でアプリを終了させているのか、現場のリアルな声を集約すると3つの傾向が浮かび上がります。
「マルチタスク画面に数十個もアプリが並んでいるのを見ると部屋が散らかっているようでイライラする」「ゲームアプリが裏で動いて通信量を消費しているのではないかと不安になる」「Windowsパソコンで開きすぎたウィンドウを×ボタンで閉じる癖が染みついている」といった声です。
認知心理学の観点から見ると、これは視覚的散らかり(Visual Clutter)による認知負荷の軽減欲求と解釈できます。マルチタスク画面に並ぶサムネイルカードは、脳に対して「未完了のタスクが残っている」という錯覚を抱かせます。そのため、指で上に弾いて画面を綺麗に掃除すること自体が、一種の快感や安心感を生み出す行動として習慣化してしまっているのです。
しかし、iOSにおけるAppスイッチャー画面は「現在動いているアプリの一覧」ではなく、「最近使ったアプリの履歴(スクリーンショット)」に過ぎません。このメンタルモデルの乖離を認識することが、無用な操作から抜け出す第一歩となります。