かつてのように路地裏で手渡しされる時代は終わった。現在、この違法薬物の取引は完全にデジタル空間へと移行している。匿名性の高いメッセージングアプリや、追跡が極めて困難な暗号資産(仮想通貨)を組み合わせたシステムが、密売のインフラとして機能しているのだ。
購入者はスマートフォンの画面を数回タップするだけで、指定された場所に隠された薬物を回収する「置き配」スタイルで手に入れることができる。この非対面式の取引が、若者たちの罪悪感をさらに麻痺させている。警察当局はサイバー捜査班を増員して監視を強めているが、次々と変わるアカウントや暗号化された通信の壁に阻まれ、捜査は難航を極めている。