日本の果物は海外で「走る宝石」と称されるが、ここの果実は別格だ。近年、アジア圏のみならず、ヨーロッパの三つ星レストランのシェフたちからも直接買い付けのオファーが殺到しているという。一口かじれば、緻密な果肉から溢れ出る果汁と、官能的とも言える芳醇な香りが広がる。
単に甘いだけではない。酸味とのバランス、そして後味の余韻の長さがプロを唸らせる。輸出プロセスの厳格化やコールドチェーンの進化も手伝い、もぎたての鮮度を保ったままパリやロンドンのテーブルへ届くシステムが確立された。日本の地方都市にある一軒の農園が、世界のガストロノミーの最前線と直結している事実は、地方創生の新たなモデルケースと言えるだろう。